入れ歯は高度な人工臓器です。入れ歯は形態(見た目)だけでなく、機能(しゃべる、食べるなど)を同時に供えています。
例えばですが、義眼で「見た目」という形態と、「見える」という機能の両方を備えているものはないと思います。
あるいは義足や義手においても同じだと思います。
今後、SF映画のようなサイボーグ化が進むかどうかは解りませんが、今現在は出来ていないですよね。
その様な意味で「入れ歯は高度な人工臓器」と言えます。もう一つ入れ歯の治療で大切なことは練習をすると言うことです。
いくら高度なものを入れたとしても、練習なくして、噛めるようにはなりません。
これはF1カーをプロドライバーでない、素人が乗って走らせる事に似ています。走らせるだけなら出来るかもしれませんが、プロのように縦横無尽には操れないはずです。
プロドライバーは、日々の努力を惜しまずに練習し続けているからこそ自由に車を動かせるのです。
しかし、ご安心下さい。
入れ歯の練習はそれほど大変ではありません。大きく分けて二段階しかありません。
一つ目は、入れた状態に慣れる事。二つ目は、ベロ(舌)の使い方の練習です。
それと、練習ではないですが、入れ歯の調節は不可欠です。
調節がないように入れ歯を作ってはいますが、咬む力や噛み方を記録することが大変困難です。
記録の誤差と製作上の誤差を入れ歯の調整で修正する必要があります。
お口の中を見させて頂いて状態の確認からはじめます。

上あごの状態

下あごの状態
入れ歯を作る為の型どり(通常の型どりは異なります)

上の型どり

下の型どり

上の模型

上の噛み合わせをとる装置

上の模型

上の噛み合わせをとる装置

下の模型

下の噛み合わせをとる装置
噛み合わせは、高さ・前後・左右の立体的な位置関係になります。いくつかの方法を使い分けて位置決めをしていきます。


最終的な材料にする前に、歯の大きさ・位置、唇の感じ、噛み合わせの位置などを確認します。

材料の劣化を抑えるための工夫をしています。
調整回数は、初めて入れる方は多くなる傾向があります。平均で10回になります。
慣れるまでの大まかな目安は入れている事に慣れ始めるのに2週間。しゃべるのに違和感が無くなるのに2〜3ヶ月。
食べるのに違和感が無くなるのに4〜6ヶ月です。
じっくりと練習することで、ほとんどの食事を問題なく食べることが出来るようになります。
※ ここでの工程は下準備(歯の治療・歯茎の治療)が済んでいる前提になります。
最後に私からのお願いがあります。
入れ歯を入れている方とそうでない方の大きな違いは、入れ歯を何かしらの理由で止めてしまうということです。
しかし、大半の理由は、「痛くて入れていられない」です。痛みは適切な調整をすれば必ずなくなります。
諦めないで調整を繰り返しましょう。
私の方から諦めることは決してありません。
※ 写真は上下総入れ歯で治療させて頂いた症例です。

治療前

治療後